2007年07月09日

檀流クッキング/檀 一雄

檀流クッキング/檀 一雄

「この地上で、私は買出しほど、好きな仕事はない」
という著者が、日本国内は勿論、世界中で
作り倒し、食べ倒した92種の料理を紹介する本。

男が豪快に料理をするのって最高にかっこいい!
と、気づかされた最初の本だったと記憶します。

野菜や肉、調味料などの分量はほとんど記されていません。
お好きなだけ使ったらよろしい。というスタンス。

カレーライスは西洋式、インド式の2種プラス、チャツネの作り方。
イカのスペイン風・中華風。
具入り肉チマキ。
コハダずし。
干ダラとトウガンのあんかけ。
ビーフ・ステーキ。
キリタンポ鍋。
オニオン・スープ。
羊の肉のシャブシャブ。
ブイヤベース。
豚マメと豚キモのスペイン風料理。

ラインナップを見るだけで、その多彩なことに圧倒され、
あとからあとから、よだれが湧いて止まらない。

野外料理1として紹介されている「シュシュリークと川マスのアルミ箔包焼き」
冒頭の一節にこうあります。
 
 親しい男女、親しい友人達と、打ち連れて、海や野山に遊び、
その波打際や、湧き出す泉のほとりで、野蛮な料理を煮たり、焼いたり、
それをまた手掴みで食べたり、飲んだりすることほど、
愉快な心身の解放がまたとあるだろうか。

決して大雑把ではないのです。
スパイスやハーブの使い方に対する細やかな指南には、
豪快にして繊細、大胆でありながら優しさを併せ持つ
著者の人柄がそのまま映しだされています。

70年代、サンケイ新聞に連載されていたそうですが
その時代は、開高健や池波正太郎が、食にまつわる
えもいわれぬ随筆をものしていた頃だと納得。

文庫版の表紙が、現代風に変わっていてちょっぴり淋しい。
私が所有する本の表紙は、70年代風のかっこいい装丁です。

檀流クッキング/檀 一雄

こんな。

澄み渡る青空のように爽快な一冊。
夏の読書にもおすすめです。


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Posted by だてBLOGスタッフ at 19:35│Comments(2)エッセイ
この記事へのコメント
まったくもって料理は出来ないけれど、だからか、
料理が出来る男性にあこがれます。
でも好きな人に料理を作ってあげる事ほど素敵な事はないのかも。
Posted by ぎばちゃん at 2007年07月31日 00:12
ぎばちゃん

コメントありがとうございます。
好きな人に料理を作ってあげる事の次に素敵なのは、
好きな人から料理を作ってもらう事です。

でも、料理は、大勢でわいわい食べるのがいちばん
楽しいですね。
Posted by だてBLOGスタッフ at 2007年08月28日 22:03
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