2010年09月18日
壇
当サイト編集長のだておとこです。どうぞよろしく。
今回私がご紹介させていただくのが、沢木耕太郎の『壇』。

檀の未亡人、ヨソ子夫人が、檀一雄との幾多の困難や葛藤を
乗り越えてきた夫婦生活と半生を、 「私」という一人称で描写
している一冊。
様は沢木耕太郎が、壇一雄の妻の目になって檀一雄を語って
いる本。
どんな内容かは・・・読んでみてください。
とても深いです。
ちなみに女優の壇ふみさん(昔、MHKの連想ゲームに出ていた)
は、壇一雄の娘さんです。
2009年08月29日
ワセダ三畳青春記
「だてBLOG」編集長のだておとこです。
今回は私がおすすめの一冊をご紹介させていただきます。
【ワセダ三畳青春記】

冒険作家である高野秀行さんの自伝的青春小説で、
三畳一間で家賃1万2千円という早稲田にあるぼろアパート
「野々村荘」に入居した主人公を取り巻くお話。
三畳一間なんてまさしくかぐや姫「神田川」の世界だし、
「~荘」という響きも、「まんが道」のときわ荘を連想させ、
10年ほど前に内容も全くわからず何気なく購入しました。
しかしこれが面白い面白い。
「神田川」のような悲壮感は全く無く、
「ときわ荘」のような友情や団結もなく、
主人公は怪しすぎる住人たちと、アイドル性豊かな
おばちゃんに翻弄される日々。
(これも「めぞん一刻」を思い出させます)
一方、その主人公(著者ですが)も曲者で、
探検部の仲間と幻覚植物の人体実験をしたり、
三味線屋台でひと儲けを企んだりします。
時は金と欲のバブル時代真っ只中。
そしてその後、バブルの崩壊による不況と失望の
時期に突入するも、そのアップダウンにも
全く気づかずに能天気な日々を過ごしていた
愉快な面々の、おかしくてちょっと切ない青春物語。
今のような時代だからこ、読んでみる価値のある本です。
ズバリ、すべらない一冊と言えるでしょう。
自信を持っておすすめします。。。