2009年05月13日
移動祝祭日

著者:ヘミングウェイ
訳:高見浩
出版:新潮文庫
価格:620円
もし幸運にも、若者の頃、
パリで暮らすことができたなら、
その後の人生をどこですごそうとも、
パリはついてくる。
パリは移動祝祭日だからだ
1920年代、パリ。
まだ無名の頃の文豪が過ごした青春時代が、
いきいきとした筆致で語られます。
最愛の妻と暮らすカルディナル・ルモワーヌ通りの
ささやかなアパートメント、
行きつけのカフェで執筆に励む日々、
セーヌの釣り人や、リュクサンブール公園までの夜の散歩。
自由で奔放な空気が満ちた、
パリの一時代を切り取るこの作品は
死の直前に書かれたものです。
ガートルード・スタイン、エズラ・パウンド、ジョイス、
そしてスコット・フィッツジェラルドといった
多彩なアーティストたちの人物スケッチにおける
名人芸も文豪ならでは。
スタインによって『ロスト・ジェネレーション』という語が
生み出されたいきさつなど
息をのむ瞬間が、宝石のように散らばっています。
N.N
Posted by だてBLOGスタッフ at 09:39│Comments(0)
│エッセイ