2008年10月27日
ダニーは世界チャンピオン

『ダニーは世界チャンピオン』 ロアルド・ダール
評論社/1,300円(税別)
チョコレート工場の秘密、ジャイアントピーチの冒険など
ティム・バートン監督もリスペクトし、作品にとりあげている
イギリスの有名な作家、ロアルド・ダールのこども向けの本です。
~ぼくは、父と二人きりで、古い箱馬車に住んでいた。
箱馬車の前はちっぽけなガソリンスタンドで、持ち主は父。
ぼくの父は、男の子にとって最高の、わくわくする父親だ。
いっしょに凧をつくり、熱気球をつくり、樹上の家を、弓矢を、
竹馬を、ブーメランをつくった。八歳まで、父と暮らす毎日は、
楽しいことばかりだった。
ところが九歳になって、ぼくは父の秘密を知った。
そして―楽しいというのとはちょっとちがう、あの騒動が始まったのだ。 ~
大人が読んでも、わくわくすること全開、味のある挿絵がまた
なんども見返したくなるプレゼントのような本です。
ダニーがどんな世界チャンピオンになるかは読んでのお楽しみ。
小さな男の子や、小さな男の子をもつお父さんにも読んでほしい。
私は大人なので、最初のページを開いた瞬間から息もつかずに一気に読み通しました。
古くさい体制への痛烈な批判なども入っているのですが
なにより、ダニーと父さんの毎日が、痛いほど素敵に痛快です。
余談ではありますが、読後はキジのローストがモーレツに食べたくなりました

作者は第二次世界大戦中、戦闘機パイロットをしていたという経歴があり
こども向け、ではない本には、『飛行士たちの話』『あなたに似た人』
などの短編集があり、こちらも風刺とブラックユーモアの効いた
やみつきになる作品です。
自身のこども時代や飛行機乗りの体験をつづった
『少年』『単独飛行』など、ハヤカワ文庫で簡単に手に入るので
ぜひ、よんでみてほしい大好きな作家です。
N.N
Posted by だてBLOGスタッフ at 18:09│Comments(0)
│小説